その場所には浴場があった

前日の天気予報で、雨です。寒いです。冬物が必要ですという言葉に従い、カシミヤのセーターを用意しました。

いつものごとく、週末は土曜仕事の日曜のみ休みですが、本格的に衣替えを迫られているように感じる今日このごろです。

場所をとる冬物は実家に預けているものもあるので、早めに行かねば…

電車で寒い思いをするのは嫌です。

あ、電車といえば懐かしの電車男がなんと米でミュージカルになるんだとか！

2chはいつのまにか5chになってるし、なんだかあの頃が遠く感じます。

思い出になるのは早いものです。ということで、引き続きローマの思い出を記します。

歩こ～歩こ～と心で歌いながら、フォロ・ロマーノを出てちょっといくとヴェネチア広場にでました。

ヴェネチア広場はローマ市の中心に位置しています。

建物はヴィッドリオ・エマヌエール2世記念堂です。大きな通りに面しており、昨日のツアーでもバスで通りかかりました。

白くて立派な建物です。中も無料で見学できますが、展示は軍事関連のものになります。

戦闘機の模型や国旗、戦艦に積まれたものなどが主な展示品です。歴史的価値は高いのでしょうが、あまり好みではないので、さくっと見学して終りにしました。

エレベータで、上の展望台に行く人も多いようですが、高台からの景色は1日目から観ているので、登らず休憩することにします。

記念堂から道路を1本渡るとカフェが何軒かまとまっています。ちょうどウェイターさんが出てきたお店でテラス席をゲットしました。

ふ～結構足に来てます。

午前中ですが、たくさん歩いたので水分補給はビールです。イタリアといったらモレッティですね。

余談ですが、周りのローマの方々はコーヒーでした。ビールを飲んでるのは私たちくらいで、ウェイターさんも「え？」みたいな顔をしたのが印象に残っています。

呑みながら通りを眺めていると馬車が通りかかりました。

コロッセオやスペイン広場なんかにも馬車がいました。観光客を勧誘しているとこも見かけたので、こっちでいうとこの人力車みたいな扱いです。

水分と休憩をとって再び歩きだします。テルミニ駅方面へとすすみましょう。

可愛らし食器やさんに、彫刻、古い建物とやっぱりどこかの映画にでも迷い込んだ気分になります。

3日目でも新鮮な気分のままです。

駅近く、目的の教会が見えてきました。

サンタ・マリア・デリ・アンジェリ教会というように呼ばれていますが、実は正式名称はもっと長くてサンタ・マリア・デッリ・アンジェリ・エ・デイ・マルティリ教会というそうです。長い！

湾曲した煉瓦造りの入口が個性的でした。

中はわりと薄暗い印象です。大きなパイプオルガンがあります。ちょうど演奏を聴くことができました。

天井に音が反射し、ゆっくりと重厚な旋律が奏でられています。

壁画や床も素晴らしい装飾です。この教会はイタリア政府の教会で国葬が行われる場所でもあります。

この教会の見どころはこれだけではありません。一度教会を出てぐるっと回りこむとディオクレティアヌスの浴場跡が見えてきます。

テルマエ・ロマエです。

温泉文化深い日本ですが、風呂にかける情熱は古代ローマ人も負けず劣らずであります。

この跡地、先程の教会と繋がっています。

というか、もともと浴場跡地に建てられたのが教会です。

浴場建設の際、駆り出されていたのは迫害を受けていたキリスト教徒でした。

16世紀、その事を憂いた教皇が当時の殉教者たちの為に教会を建てることを決めて、ミケランジェロに依頼、ミケランジェロは浴場に敬意を払い、遺跡をそのまま使用した形で教会を作ったそうです。

この辺りが教会と繋がってました。

浴場の収容人数は3000人規模だったそうです。残ってる遺跡の壁もとても大きくて高さがありました。

古代ローマからの歴史、そしてミケランジェロのすばらしさを感じることのできる場所です。