2023年10月18日水曜日

文学と灘の酒をめぐる 神戸1泊2日の一人旅 1

ひとり行動やおでかけ、食事に飲みもまったくもって気にならず、フットワーク軽めな人間です。

やり込んでるゲーム関連のイベントが神戸で開催だったので、一泊旅行してきました。

そんな記事が7月記事のラストを飾ります。 日程は日月、日曜の固定休みと月曜は平日の公休をくっつけて行ってきましたよ。

夏はこのひとり神戸もふくめ、東北にも行きましたが、こっちも公休でまかなえたので、なんとなく夏休みとった感がなかった・・・まぁ毎年のことですがね。

さて、行くと決めたら次に決めるのが交通手段です。

飛行機でいくか、新幹線にするか・・・早めの予約であればスカイマークで新幹線より安く、かかる時間も短そうでしたが、新幹線の利点は時間ぎりぎりにぱっと乗るのが可能ということ。

現地にぎりぎりまでいてめいっぱい時間使いたかったので、今回は新幹線を使いました。

往路:6時51分発、9時29分着

復路:19時30分発、22時15分着

さぁ、出発しましょう。わーい!乗り物好きここで既にわくわくしてます。


いつもだったらビールですが、なにせこの日の最高気温は38度予想ってことで、現地で歩くことも考慮してソフトドリンクにしました。文庫本はカバーは中原氏ですが、中身は神戸縁で訪ねる予定の谷崎潤一郎著の「台所太平記」です。じっとりしっとり耽美~~なイメージが強い谷崎氏ですが、これは面白いし読みやすくおすすめです。


読書したりスマホで仕事してたらつきました。京都から先までくるのは本当に久しぶりです。しかも神戸はむかーし、母と京都からレンタカーで足を伸ばして少しだけ、震災からの復興を眺めたくらいだったので、ほぼ初訪問となります。


在来線に乗りかえると、今回の旅行のきっかけとなったイベントの中吊り広告を発見しました。神戸交通もタイアップしての企画です。


地下鉄の駅について、コラボの1日乗車券を購入します。絵柄が3種類あるなかで、一番左を選びました。3枚合わせてキャラ16名がピックアップされています。縁の文豪がこんなにたくさんいるんですね。


なんか使うのもったいなく、イベントのスタンプラリーに指定されてる場所が乗車券の圏外のところも多かったので、使わずに手持ちの交通系ICでまわっちゃいました。

さて、観光をスタートします。縁の文豪が多いと上述してますが、神戸市内近郊で、今回はピックアップされてない場所ですが、記念館があるので、まずはいきなり市街へと出ました。とはいえ、阪神電鉄使ってすぐです。


高級住宅地という言葉しか思い浮かんでこない・・・どんな街だろうとドキドキします。そしてこの時点でかなり暑いです。ペットボトルを手に持って歩きました。橋を渡りながら奥にうっすら海が見えます。海無し県出身者なもので、海には敏感です。憧れる。


路地を少しはいったところにありました。ていうか、高級住宅地はガチだった・・・どのお家が記念館なのって迷うくらい立派な邸宅ばかりで庶民はびびってます。


気を取り直して、ここがなにかといいますと、高浜虚子記念文学館です。ここも以前ゲームコラボがあったのですが、タイミングが合わず、今回ぜったいきたかった場所でした。

いろんなところに句碑がある著名人(ぜひ記念館のページで句碑の所在をご確認ください。あれだけあるのに栃木にないのがさみしい・・・)、正岡子規のお弟子さんで、河東碧梧桐ともに双璧とも評されています。



初代館長は虚子氏のお孫さんにあたる稲畑汀子氏で、この記念館は稲畑氏の住居に隣接して建てられました。

入り口の脇に句碑があります。左から稲畑氏、中央が虚子氏、右が高浜年尾氏(虚子氏の実子)の作品です。記念館の設立やこの句碑などで、ご家族が虚子氏の作品や功績をすごく大切にしていることがうかがえました。


館内は撮影禁止のため、ここまでです。常設展示が充実してて、見応えがありました。短冊に軸はもちろん、書簡やハガキなどもたくさんあって交友関係や虚子氏がどういう時代の中をどういう気持ちでいたのかを垣間見ることができます。企画展の青畝氏は存じ上げなかったので、今後虚子氏関連でなにか展示をみる際は注目したいです。

いい観光スタートをきったとしみじみ想いながらふたたび、橋を渡って今度は反対側を奥へと歩いていきました。看板が出てるのでわかりやすいです。余談ですが、ううぇ、、暑いって外歩いている時はそれしか浮かびませんでした。セミがものっすっっごくうるさかったのは覚えてます。


たぶん虚子記念館から徒歩で20分くらいです。ふたつめの観光スポットですよ。こちらも今回のゲームイベントとは関連なしです。


大きな石は句碑かと思ったら違いました。


谷崎潤一郎氏の記念館です。虚子記念文学館は洋風、こちらは和風ですね。


谷崎氏は人形町のご出身なので、生誕の地はたまに通りかかってプレート眺めてます。いまはたしかしゃぶしゃぶやさんがあったでしょうか。グルメな谷崎氏にぴったりですね。

こちらも展示は撮影不可です。東京から震災をきっかけに京都にいって阪神間で引っ越しを10回以上しています。

こちらも展示に大満足でした。生前の持ち物(着物や小物)の展示や三人目の奥様である松子さんのVTRも必見です。

鑑賞後はお庭を見学しました。素敵な日本庭園、鯉もいますね。


暑い(しつこい)けれど緑と水に癒やされました。展示眺めてばかりだと楽しいけど疲労するのでよい息抜きになります。


お庭から眺める記念館も素敵です。


二箇所まわって、駅に戻ります。はたまた電車にのって、神戸方面へと移動し、途中下車です。今度こそイベントもスタンプスポットになってる場所ですよ。


駅からは徒歩5分てところでしょうか。住吉川沿いをてくてく歩きました。住吉川って川遊びができるようで、子どもたちが楽しそうにしています。この気温ですもの、川遊びがいいですよね。


私は建物探訪です。こちらは谷崎氏が細雪を執筆したお宅です。スタンプラリーのチェックインは建物の近くでできるようですが、ここまできたら中を見学したいです。

原則土日のみ開館ということで、今回日月の日程にしました。




もうめちゃくちゃ感動しました。細雪の世界観そのものです。ここに住んだからこそ細雪という作品がうまれたのだと実感できました。



案内の方が優しく迎えてくれます。暑かったからVTRみて水分とってから見学どうぞ~~という言葉が嬉しかったです。暑かったでしょう?大丈夫?ゆっくりしてねと何度も気にかけてくださいました。


VTRでしっかり細雪と倚松庵について学んでから各部屋をめぐります。一階はVTRを観ていたのが洋風の応接間です。奥は食堂でテーブルと椅子のうち1脚が谷崎氏が使用していた当時のものでした。


畳のお部屋もあります。


縁側もついてました。


調度品も素敵です。


二階にあがります。ここも素敵ですね。


そうそう、細雪は書き出しがいいのです。西の柔らかいイントネーションで繰り広げられる会話で一気に物語に引き込まれます。


窓が大きく、日当たりがいいお部屋ですね。


欄干からお庭を見下ろすことができました。


2階にはお部屋が3つです。雪子と妙子の立場や気持ちを考えるとなんともいえない気持ちになりました。



おいてある机は谷崎氏が湘碧山房(湯河原にある谷崎氏の最後の住まい)で使っていたもののレプリカです。


このお部屋には建築時の弊串などが展示されています。


瓦は昭和62年の解体の際に撤去されたものが飾ってありました。この倚松庵はもともとはこの場所より150メートルほど離れたところにあったものです。六甲アイランド線の開通により、解体され、今の場所に移築されました。


2階から降りてきて今度はお庭を見学します。このお庭も移築後に整備されたものですが、細雪の描写などを参考に当時を再現したものです。


古い建物を保存するって本当に大変ですね。手入れに維持費、ただ残したいという綺麗ごとだけではダメなんだとしみじみ思いました。いまこうしてここにあってくれることに本当に感謝です。



とても素敵な場所でした。なんか最後ちょっとしんみりしちゃいましたけど、気持ちきりかえて駅をはさんで反対側へとまいります。

今回の旅のもう一つのテーマはそう!名高い灘のお酒を楽しむことです。


これだけの数の蔵が密集してるってすごいことですね。どこに行くかは前もって決めてきましたよ。本音は全部まわりたいです(無謀)


次の記事に続きます。

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メモ

10月なかば ひとりで日帰り京都

4 件のコメント:

  1. こんばんは〜
    神戸!良いですね!
    私も、ゆっくり行った事がなくて
    興味津々です。
    神戸のお酒も美味しいですね。
    良く小西酒造さん?のお酒を購入しています。
    谷崎潤一郎さんの邸宅も素敵!
    まだ、そこに佇んでいるような錯覚に
    陥りそうです。
    酒蔵めぐりも楽しみにしていますね。

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    1. こんにちは
      今回の神戸もですが、兵庫県自体あまりきたことがなかったです
      いつも京都で新幹線降りるので不思議な感じでした

      小西酒造さんは灘ではなく、伊丹ですね
      そっち方面も気になってます
      ちょうど土曜に参加するお酒のイベントで白雪が飲めそうですよ~
      ビールなども手がけて老舗大手の風格があるメーカーさんですね

      倚松庵、とっても素敵でした
      細雪の世界そのままです
      開館日に合わせていってよかったと本当に思います♪

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  2. こんにちは
    神戸、良いところですよね
    日帰りではキツキツなので、一泊だとたっぷり時間使えそう^^

    芦屋も周られたのですね
    文ストきっかけにいろいろな街へお出かけできて最高ですね
    しかしすごい青空、夏真っ盛りですね(^^ゞ
    神戸だと洋風の建物を連想しがちですけど、文豪のお宅は和風のものが多いのですね

    キンモクセイがようやく満開になりました
    昨年より半月遅い満開です
    香りが漂ってくると思わず木はどこかなと探してしまいますね^^

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    1. こんにちは
      京都くらいまでは日帰りでいっちゃうんですが、今回神戸が初ということもあって泊まりにしました
      イベントのスタンプラリーはじめ、近隣の文学スポットや灘の酒などたくさん観て遊んでと楽しかったです
      神戸いいところですね~今度は今回行けなかった異人館あたりを巡ってみたいです

      金木犀の香り、本当にあちこちで感じます
      二度咲きもありそうですね
      長く楽しみたいです♪

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